2015年5月1日金曜日

HDDブッ飛んだ始末記(2)

前回までのあらすじ。

「怪盗Xを追跡する先川原探偵の前に立ちはだかる謎の男、
男は先川原探偵に向かって驚愕の真実を告げる。
“私はお前の父なのだ……”
混乱する先川原探偵の運命やいかにっ!」

先川原探偵なんて知らねーし。

という訳で前回、2台の4TB HDDで組んだRAID1アレイの1台が、
ものの見事にブッ飛んだというお話をしました。
もちろんメンバーの2台は同じメーカー、モデル、そしてロットです。

本来なら同容量、出来れば同じモデルのHDDを持ってきて、
障害が発生したものと交換すればOK。
インテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジーさんがリビルドしてくれます。

ちなみに障害が出たHDDはWDの緑。いやー、ここが甘かった。
WDの緑はいいHDDなのですが、私のようにフルタイムで
なおかつアクセスも過酷な使い方をする場合は、赤を選ぶべきでした。
たまたま緑が手元にあったんですねー、それだけの理由で選んでしまいました。

WDの4TB緑ですから、同じ物は容易に入手できます。
ですが不肖・高橋、考えました。

「そうだ、これを機会に2台とも入れ替えてしまおう!」

はい、中距離走がマラソンに変更された瞬間ですね。

そうと決まれば善は急げ、というかHDDトラブルへの対処はスピーディに!
障害が発生した1台は無視して、まず外部ディスクにバックアップを取ります。
この時、出来ればファイル、フォルダ単位のベーシックなバックアップと、
ボリューム丸ごとのバックアップ、2つのバックアップを作成しましょう。
さらに念のため、超重要ファイルはクラウドにも放り込んでおきます。

バックアップが終わったら、いよいよHDDの交換です。
まずはアレイの状態を解除して、2台の普通のHDDに戻してやります。
これで1台は障害の発生したHDD、もう1台はアレイのバックアップという状態になります。

ここで新しいHDD2台が登場! 今度はHGSTの4TB、Deskstar NASにしてみました。
使った人間の話によればパフォーマンスも信頼性も良好とのこと。
WDの赤、もしくは黒という考えもあったのですが、今回はHGSTにチャレンジ。




取り外したHDDの代わりに新しいHDDを入れてさっそくマシンを起動、
サクッと再びRAID1アレイをこさえてしまいます。
データがまったく入っていない新規の状態ですから、ささっと出来上がるはずです。

で、完成したアレイにバックアップしてあったデータを流し込んで作業終了です。
外部ディスクがUSB3.0だったり、eSATAだったりすると、かなりスピーディに
作業が進みます。正直な話、USB2.0だと地獄の釜の蓋が開きます。

今回はブッ飛んだのがデータドライブということで、システムが関係無かったというのが、
不幸中の幸いでした。システムドライブとなると、もっともっと慎重に作業する
必要があるからです。

ちなみに障害が発生したHDDは五寸釘を打ち込んで物理破壊してから処分、
アレイのバックアップとなった使えるHDDは、しばらくの間、そのまま保管します。

さて、今回の作業の中で一番危なかった期間というのは、

「2台のうち1台に障害が発生し、バックアップが無い状態」

の時です。
実は私の場合、データドライブの中の重要なデータは、
日々別ドライブに自動でバックアップし、さらに常にクラウドに入れている状態です。
なので仮に「アレイが全滅」しても問題はありませんでした。

とまあ、HDDがブッ飛んでも、

●きちんと2重以上のバックアップがあって
●障害発生時への対応を決めてあれば

慌てることはありません。ちょっとだけ、ちょーっとだけうんざりするほど
時間がかかるだけです(容量による)。

という訳で次回で始末記は終わりですが、最後にバックアップについて
考えてみましょう。



高橋敏也(こうしてHDDの山が出来ていくのだなあと実感)